[レポート] AWS Cloud Roadshow 2017広島:ユーザー企業のアプリ開発でクラウドメリットを享受する #awsroadshow
こんにちは、菊池です。
本日は、広島で開催されているAWS Cloud Roadshow 2017に参加してます。
導入事例トラックから、大創産業様の「ユーザー企業のアプリ開発でクラウドメリットを享受する」を聴講しましたのでレポートします。
セッション概要
- タイトル:
- スピーカー:
- 株式会社 大創産業 情報システム部システム企画課 課長 システム開発2課 課長 丸本 健二郎 様
- セッション概要:
- AWS を使うことでのインフラメリットはよく聞くが、アプリ開発のメリットはなんだろう。 ユーザー企業として改善すべきアプリ開発における課題を、AWS を使ってどう解決しようとしているのか共有させていただきます。
レポート
- 会社概要(2017/3現在)
- 売上4200億
- 4,950店舗
- 70,000の商品
- 27ヶ国に展開
- 広島だけで92店舗
- 稚内から石垣島/宮古島まで出店
- 小売業として国内4位の出店数
- 東広島市に本社
ダイソーでのAWS活用事例
2014年に開発したシステムについて
- 発注業務の課題
- 小売業のパレートの法則:売り上げの8割は売れ筋の2割の商品で成り立っている
- 売れ筋商品を適切に発注して在庫を維持できるか?
- 商品数
- 新商品
- 季節
- 販促
- これら全てを把握して発注するのは難しい
- 売り上げが伸びている店舗はうまく回っている
- 熟練のスタッフが発注をこなしている
- しかし、少子化に伴う人材不足 -> システムで解決したい
- L2のAIで発注を管理
- 効果はあるのかトライアル:50店舗で実施
- 結果:欠品率が改善 & 売り上げ上昇 -> 人が予測するよりもよい成果が得られた
- さあ、全店に導入しよう!
- しかし、すぐに答えることができなかった
- 夜間の集計処理を8時間以内に完了させる必要がある
- 現実は200店舗(国内7%)の処理で限界だった
- さあどうしよう?
- 簡単なチューニングでは無理
- 根本から変更することにした
- チャレンジ1:データ量
- 店舗数 x 商品数 x 需要予測 x 拡張 = 157億件のデータ件数をどのように処理するか
- チャレンジ2:時差
- グローバルな店舗展開ため、日本の夜間だけの考慮ではだめ(日本で間に合ってもアメリカでは間に合わない)
- チャレンジ3:水平展開
- 27ヶ国に丸々移植していた
- 27個のシステムを作るのではなく、1つで集中管理したい
- ソリューション比較
オンプレの商用RDB | Redshift | EMR | |
処理 | × | ○ | △ |
スケール | ×(ACID) | ○(ノードでスケール) | ○(分散処理) |
参照 | ○ | ○(BI) | △(Hive) |
- Redshift採用を決定、無事リリース
- 1つのシステムでグローバル全店舗を対応している
残った課題
- 描いていたゴール:自動発注システム
- サブシステム化して柔軟な環境
- 実際はモノリシックな1つのシステムに
システム開発における課題
- 業務部門からの要件追加
- 影響範囲が大きい、コストも大きい
- 大きシステムは改修時のテストも大変
- 改善効果以上に改修コストがかかる = 費用対効果が出ない
- それでもなんとかしなくてはいけない
- 外付けの改修でなんとかする
- その後の改修でハマるポイントになってしまう
- 無理な改修で損失がでることに
- システムがスパゲッティ化
- 開発ベンダーの問題
- 「改修にxxxx万円かかります」
- 「今リソースないので動けません」
- ロックイン状態に
- インフラ・DBの問題
- 物理環境に余裕があればいいが、ないと厳しい
- 追加の投資判断も難しい
対応:開発手法の刷新
- システムを分割
- インフラはAWSに
- システムごとにベンダーも選定
- コンウェイの法則
- 設計チームの組織体がシステム構造と1:1になる
- これまで:1チームに5つのシステム作らせると、結果、1つのシステム出来上がる
- これから:5つのサブシステムを作るのであればチームも5つに分けることが必要
システム環境
- As-Is:全てを管理してた(オンプレミス)
- To-Be:フルマネージド(AWS)
- ビジネスロジックに集中して社内のリソースを投入
- しかしAWSはサービスいっぱい
- よし!勉強しよう
- 調査チーム立ち上げ
- BlackBelt、Qiitaで勉強
- とあるシステム構築中に...
- 今作ってる仕組み、すでにサービスであるじゃん!
- 結論:自分たちだけで全てのAWSサービスをカバーするのは厳しい
- 先生(AWSパートナー)に頼む
- 即、充実した内容でレスポンスしてくれる!
- いくつものよい案を、クイックに安くアウトプットしてくれる!
- 絶対、パートナー使うのがいい!
- 先生(AWSパートナー)に頼む
- パートナー:AWSの知識
- ダイソー:業務知識
- それぞれの得意分野を生かし、シナジー効果を実感!
これからの思い
- どんどん新しいサービスが出てくる
- SIer時代の経験から、要求に対して120点を目指してきた
- しかし、今の120点が来年の100点とは限らない
- 変化にどれだけついていけるかが重要
まとめ
- AWSはイイ!
- マイクロサービス:小さく、変化に強く、ダメなら捨てる
- サービスごとにスケール:AWS環境を活用
- ビジネスロジックに集中:リソースを集中
- 労せず品質アップ:AWSのスペシャリストに任せる
- 変化に強くなる
まとめ
ユーザー企業として、AWSを使ったシステム開発でどう事業に繋げているかという、非常に参考になるセッションでした。これからの時代の流れに対応するため、変化に強いシステムを作っていくという点にとても共感しました。
AWSを利用すること、そしてAWSの部分はパートナーに任せることで、自社のリソースを事業に集中させることができる、という、AWS、AWSのパートナーにとっても非常に嬉しい事例だと思います。